微小粒子状物資(PM2.5)、危険はもと身近なところに

2013年3月5日、熊本県で初めてPM2.5の注意喚起情報が流された。国の暫定指針値1立方メートルあたり70μg/m³を超え、一時110μg/m³を記録した。PM2.5とは大気中に漂う粒径2.5μm以下の小さな粒子のことで、排ガスなどの煤が主成分である。粒径が非常に小さいため、肺の奥深くまで入りやすく、呼吸系、循環器系への影響が懸念されている。

最近になりマスコミなどで多数取り上げられて騒ぎになっているが、環境省が発表している測定データによれば、以前から相当量のPM2.5が国内で観測されている。中国の大気汚染が今後さらに日本国内に波及してくる恐れがあるとは言え、これまでにも200μg/m³以上の数値が国内で散見されている。むしろ問題にすべきは、PM2.5がもっと高い場所が身近に存在している事である。原因はタバコである。

 PM2.5はアメリカ環境保護庁による大気汚染基準では6段階に区分され、15μg/m³以内が「良好《な環境で濃度に応じて「許容範囲内《「弱者に危険《「危険《「大いに危険《と危険性が増し、251μg/m³以上は一般人に重篤な症状が現れる「緊急事態《のレベルとされている。

日本禁煙学会のデータによると日本において分煙のされていない居酒屋で568μg/m³と北京の最悪汚染時レベル、車内で喫煙すると一気に1000μg/m³を超える。上完全分煙の居酒屋の禁煙席で300μg/m³以上である。完全分煙の店でも環境基準値を超え、良好な環境を保つには完全禁煙しかないのである。

 日本は、公共空間・施設の「例外なき完全禁煙《を義務づけたWHOの「タバコ規制枠組み条約(FCTC)《に2004年には調印・批准しているのであるがこれを遵守していない。厚労省が許容している受動喫煙の濃度上限は PM2.5に換算すると100 μg/m³であり、心肺機能の悪い人や高齢者の症状が悪化し、一般人にも呼吸器症状が現れる「危険《レベルである。

 日本国憲法第98条には、締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することが明記されており、これはたばこ事業法などの国内法よりも優先されるべきものである。

 喫煙率が高いロシア、中国でさえ、公共の場における全面禁煙を義務付ける法律が策定されている。日本政府は国際的に信頼される国であろうとするならば、そして本当に国民の健康を心配しているのならば、「国家間の約束事《であるFCTCを誠実に遵守すべきである。

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